再生医療(PRP治療)
再生医療(PRP治療)
当院では開院から長らく変形性膝関節症、半月板損傷など、多くの膝の痛みを抱える患者様の治療を行ってまいりました。
今までの治療法では、上記の①~③の保存治療を行い、効果不十分な場合には④の手術治療を行うしかありませんでした。ただ、高齢で手術が難しい方、入院する時間が取れない方、手術するほどの痛みではないけど症状が苦になる方、など様々な理由で困っている患者様をたくさん経験してきました。
ただ近年、再生医療という選択肢が登場し保存治療と、手術治療の間に新たな選択肢が生まれ注目されております。当院でも一人でも多くの患者様の苦しみが解放されることを願い2023年より導入いたしました。
怪我をして出血が徐々に収まりカサブタになって修復されるという作用には、血液中の血小板の働きが関係しています。血小板は傷を修復する際、細胞の成長や増殖を促す様々な種類の成長因子を放出し、人体が元々備えている自己治癒力を高めて修復を促進します。PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)療法は、この血小板の働きを活用した治療法で、自己血液から血小板が多く含まれる成分だけを取り出し、身体の傷んだ箇所に注入することで、早期治癒や痛みの軽減を目指します。採血と注射だけで治療ができ、また、ご自分の血液を用いるため、副作用のリスクを抑えられる特長があります。日本では、変性疾患(変形性膝関節症、足関節症など)や慢性腱炎(アキレス腱炎など)を中心に活用されています。特に変形性膝関節症はその代表で、人工関節置換術や骨切り術といった手術の前段階の治療として確立されてきており、比較的変性が軽度で十字靭帯損傷がない膝関節に良い適応が見込めます。
変形性膝関節症は、主に加齢によって膝関節内の軟骨が摩耗し、膝の痛みや膝関節の変形を引き起こす疾患です。半月板が傷んだり、炎症によって膝に水がたまったりすることもあります。PRPは、こうした組織の修復を促したり、関節の炎症を抑制したりする効果が期待できます。変形性膝関節症の一般的な保存的治療には、筋力トレーニングや装具療法、痛み止めの内服、湿布などの外用薬の使用、ヒアルロン酸注射などがありますが、これら既存の治療が無効な患者様の中には、PRP療法で痛みなどの症状が改善するケースがあります。また、症状が進行してしまった場合、手術による治療も検討されますが、「手術を受けるのはちょっと怖い」となかなか決断ができなかったり、ご家庭の事情や持病などの影響で手術が受けられなかったりという患者様もおられます。PRP療法はこのような場面で、保存的療法と手術療法の中間的位置付けとして活用されています。
変形性膝関節症の方で、下記のようなお悩みがある場合は、一度ご相談ください。
※この内容に当てはまる方に、PRP療法の効果を保証するものではありません。
また、PRP療法はスポーツ外傷(障害)に対しても行われています。特にスポーツ選手として活動されている方は“少しでも早い復帰”を望まれ、PRP療法を検討されることがあります。靭帯損傷や腱炎、肘内側・外側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)、肉離れなどが主な対象です。
日本では保険が適用されていないため、治療費は全額自己負担となる自由診療になります。
事前に外来にて問診、診察、採血検査、画像診断など施行し、適応を確認します。そのうえで治療の説明と患者様から同意をいただき、採血日と治療日を決定します。
1
採血
自己血液を55mL程度採取し、厚生労働省認可の細胞加工センターに送ります。
2
抽出
細胞加工センターでは、採取した血液を遠心分離機にかけて成長因子を抽出します。
3
注入
約3週間後、抽出した血小板由来の成長因子を関節の患部に注入します。
4
評価・フォローアップ
治療後の経過観察を必要に合わせて行います。治療効果を最大限に発揮するためにリハビリテーションを行うこともあります。
当院では2024年4月から新しくアップグレードされたPFC-FD2.0療法をいち早く導入いたしました。
PFC-FD2.0は血漿成分、成長因子が従来品(PFC-FD)よりも多く含まれており、鎮痛作用や炎症抑制作用、組織修復作用がPRPよりも高いことが最大の特徴となります。
そのため、従来品よりも自己修復力が強く活性化されることが期待されます。
項目 | 料金 |
---|---|
PFC-FD療法 | ¥130,000(税込) |
PFC-FD2.0療法 | ¥170,000(税込) |