日帰り手術
日帰り手術
当院では1000件以上の整形外科手術を執刀・指導してきた経験豊富な医師の執刀にて、患者様の精神的・身体的な負担の少ない手術治療を行っております。
骨折や手根管症候群、ばね指など手術を中心に、手外科や外傷手術(スポーツによる怪我・骨折など)などの日帰りの手術を行っています。
ばね指や手根管などの手術は局所麻酔で、骨折などの手術は伝達麻酔(手術する腕もしくは脚だけの麻酔)にて行います。
※骨折の部位や程度により、入院治療が必要な方には適切な病院をご紹介させていただきます。
手術する腕もしくは脚1本だけに麻酔をかける麻酔方法です。
以前までは入院でないと行えなかった手術も、近年では治療法や麻酔法の進歩により日帰りにて行えるようになってきました。特に超音波診断装置を利用した神経ブロックによる麻酔技術が進化したことで、手術する腕(もしくは脚)だけ麻酔を行うブロック麻酔(伝達麻酔)による上肢、下肢の手術の多くが全身麻酔なしで可能となってきております。
伝達麻酔は麻酔薬の種類によって麻酔してから覚めるまで(痛みが出てくるまで)には6~12時間程度の長い時間麻酔が効いているため、術直後の一番痛い時期を痛みなく過ごすことができます。
全身麻酔は文字の通り全身に麻酔をかけることであり、多くは自分で呼吸も出来なくなってしまいます。そのため気管挿管といって口から気管までチューブを挿入して人工呼吸器による呼吸(換気)を行うことで呼吸を維持します。呼吸や循環など全身のコントロールができるので心臓や内臓、脳の手術には適していますが、その反面、予期せぬ事態の際には命のトラブルになる恐れがあります。
全身麻酔や脊椎麻酔(下半身麻酔)では麻酔後の管理が必要であり、そのためほとんどの場合では入院が必要になります。入院によって入院費などの金銭的、慣れない場所による心理的な負担があります。
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初回受診(ご予約、診察、治療方針の決定)
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診察日〜手術前日
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手術当日
4
手術後
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手術後の外来受診
腱鞘炎(けんしょうえん)は、手の使いすぎによって指や手首の関節などに痛みが生じる疾患です。指や手首を動かすための腱と、その腱の通り道である腱鞘(けんしょう)との間で摩擦が起こり、痛んだり、腫れたりします。安静にして手を使わなければ腫れは引きますが、使い続けると腫れや痛みが強くなります。スポーツや仕事で指を多く使う方によくみられます。
腱鞘炎によって腱鞘が狭くなったり、腱が腫れたりすると、曲げた指を伸ばそうとした時にカクンとばねのように跳ねることがあります。この症状を「ばね現象」と呼び、この症状がある腱鞘炎を「ばね指」と呼びます。母指、中指、環指(薬指)によくみられます。腱鞘炎(ばね指)の治療は、局所の安静、投薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法が行われますが、効果が乏しい場合や再発を繰り返す場合には腱鞘を広げる手術を行う場合があります。
母指(親指)から環指の母指側の3本半の指を支配する正中神経(正中神経)が手首(手関節)にある手根管というトンネル内で圧迫された状態です。手根管は手関節部にある手根骨と横手根靱帯(おうしゅこんじんたい)で囲まれたトンネルで、その中を1本の正中神経と指を動かす9本の腱が通っています。一番多いはっきりした原因もなく発症する特発性手根管症候群は、女性のホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみや加齢に伴う靭帯の肥厚などにより、圧迫に弱い正中神経が圧迫されて症状を呈すると考えられています。使いすぎの腱鞘炎やケガによるむくみなども同様に正中神経が圧迫されて手根管症候群を発症します。
治療では炎症や症状を緩和する投薬治療、手首へのステロイド剤の注射により治療します。
上記治療で改善のない場合や重症の場合は手術をします。手術方法には、以前は掌から手首まで大きく切開する方法が主流でしたが、主に当院では手首に1cm程度、手のひらを2~3cm程度の小さな切開にて行う小皮切法で行っております。
橈骨遠位端骨折とは、転倒や転落により手をついたときなどに、前腕を構成する骨のひとつである橈骨が手首の付近で折れる骨折のことです。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を患う高齢女性や仕事中の転落事故などにより生じやすい骨折であり、骨折のなかでも頻度が高いもののひとつです。
発症すると、骨折による痛みや腫れが生じます。手首を動かす関節に破綻をおこす骨折であり、ずれが大きい場合には、ずれたまま骨折部が癒合してしまう変形治癒(へんけいちゆ)となり手首の動きが悪くなり痛みが残る原因となります。ずれが大きい場合には、ずれを治す整復処置を行いますが、それでも困難な場合には手術治療を行います。手術治療では手首の周辺を5cm程度切開し骨折部のずれを直接戻して、金属のプレートとスクリューで固定します。ずれを治して固定することで、骨折による後遺症を少なくし早く手首(手関節)の運動を開始することができます。
ケルバン腱鞘炎は親指を伸ばす腱である「短母指伸筋腱」と親指を開く「長母指外転筋」が手首の背側にある腱鞘を通るところに生じる腱鞘炎です。
手首(手関節)にある腱鞘(手背第一コンパートメント)とそこを通過する腱に炎症が起こった状態で、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、手首の母指側が痛みます。母指を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。
局所の安静、投薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法を行いますが、改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。
ガングリオンは、手のひら指の付け根、手首の甲側(手関節背側)や母指側(橈側)、肘の内側などさまざまな部位にできる腫瘤です。
大きさや硬さも様々です。通常、痛みを伴うことはありませんが、手関節背側に出来ると手をついたときに痛みを生じる場合があります。内部にはゼリー状の液体が貯留しており、注射によって内容物を抜くことで小さくなりますが、時間経過にて再発してくることも多いです。再発を繰り返す場合には手術にて摘出することもあります。
アキレス腱は、足首の後面にある人体の中で最も太い腱で、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつないでいます。アキレス腱断裂の好発年齢は30~50歳代で、特にバレーボールやテニス、バドミントン、ソフトボールなどのスポーツをする人によくみられます。また、普段運動習慣のない壮年期の方が、慣れない急な運動した際に起こることもあります。治療方法には、手術を行わない「保存療法」と「手術療法」があります。いずれの治療も治療成績に大きな違いはないといわれていますが、日頃から運動をするアスリートなどの場合、手術療法のほうが競技復帰までの期間が短くなるという傾向もあることから、手術療法が検討されます。
肘部管症候群は、肘の内側にて尺骨神経が圧迫される疾患であり、小指と環指の尺側(小指側半分)にかけて痺れや痛み・不快感を生じます。
進行すると手の筋肉が痩せてしまい、握力も低下していきます。
指を伸ばせなくなったり、閉じたり開いたりもできなくなるので、細かい作業が上手くできなくなります。神経は一旦ダメージを受けると回復が困難な場合もあり、筋力低下などの症状の際には手術治療が必要になることが多いです。
マレット変形は、指の第1関節(DIP関節)に付着する伸筋腱が損傷することです。それにより指先端の関節が曲がったまま伸ばせなくなります。骨折を伴う場合は「骨性マレット」、骨折を伴わずに腱がはがれただけの場合は「腱性マレット」と呼びます。
「腱性マレット」では多くは固定による保存治療を行いますが、「骨性マレット」ではワイヤーで止める手術をする場合があります。
粉瘤(別名:アテローム、表皮嚢腫<ひょうひのうしゅ>)とは、皮膚に袋状の構造物ができてしまい、その袋の中に角質や皮脂がたまる良性の皮下腫瘍です。抑えると悪臭を伴うカスが出てくることがあります。背中や顔、首にできることが多いですが、全身のどこにでもできます。多くの場合症状はありません。細菌感染を生じると患部が赤く腫れて、痛みを生じ、膿が出ることがあります(感染性粉瘤)。最も頻度の多い皮下腫瘍の一つがこの粉瘤です。自然に消失することはないので希望があれば局所麻酔をして手術で切除します。感染した粉瘤は内部の膿を出すために局所麻酔をしてから切開し、内部をしっかり洗浄し感染を落ち着けることから行います。感染沈静化後に摘出するか相談いたします。