リハビリテーション科
リハビリテーション科
リハビリテーション科は、様々な病気や外傷で生じる機能障害を回復し、残存した障害を克服しながら社会復帰(仕事やスポーツ復帰を含む)を総合的に提供する診療科です。医師が診察を行い、理学療法士(PT)のような国家資格を持ったリハビリテーション専門職が指示に基づき訓練などを行っていきます。範囲は幅広く、四肢切断、骨折、脊髄損傷、運動器・神経・筋疾患、リウマチ、スポーツ障害など、さらに身体機能障害の予防・回復、フレイル、ロコモティブシンドロームなども加わり、ほぼすべての診療科に関係する疾患・障害が対象となります。当院では主に整形外科に関連したリはビリテーションを行っております。
当院では新たに拡散型圧力波(radial pressure wave:RPW)を用いた体外衝撃波治療器の治療を導入いたしました。
新しい治療法であり、従来の治療では治療が難しかった患者様の治療に役立ててまいります。
対外衝撃波とは音波の一種である衝撃波を体内の組織に伝達することで、疼痛改善や組織修復を促す治療法です。ヨーロッパを中心に普及し、低侵襲な治療法として、スポーツ選手にもよく用いられています。有名なところではジャーリーグで活躍している大谷翔平選手など、多くのスポーツ選手も取り入れており、全身の筋・腱の炎症などによる慢性的な痛みに悩んでいる患者様に効果が期待できる治療機器です。
リハビリテーション科では病気や外傷の結果生じる障害を診断・治療し、機能回復により、イキイキとした生活を取り戻すお手伝いをします。何でもお気軽にご相談ください。
理学療法はけがや病気、高齢、障害などにより運動機能が低下した状態を、運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて、維持・改善する治療法です。障害の原因となっている動作の評価やトレーニング、歩行訓練、リハビリ内容によっては、専用のリハビリ機器や用具を使うこともあります。
運動器のリハビリテーション治療で、最も頻度が高い症状は肩こり・腰痛です。また、骨折、関節リウマチ、変形性膝関節症、脊椎疾患、スポーツ障害などで運動器の機能低下が認められる場合にも広く行われます。低下した筋力・関節の機能改善を図ることで、歩行、立ち上がり、階段などのADL(日常生活動作)の改善を目指します。より高度な能力が求められるスポーツ活動への復帰なども目指して行われることもあります。
首のつけ根から肩、あるいは背中にかけて張る、凝る、痛いなどの症状があり、場合によっては頭痛や吐き気を伴うこともあります。連続して長時間同じ姿勢をとる、首・背中が緊張するような姿勢での作業、姿勢が悪い人、運動不足、精神的なストレスなど様々なことが原因となります。
中年以降、とくに50歳を過ぎたころに症状が出現しやすいため一般的には四十肩・五十肩とも呼ばれています。加齢や過労により、肩関節を包む袋(肩関節包)や腱板などに炎症が起こることによって、痛みが生じると考えられています。放っておいて自然治癒することもありますが、ときに夜の痛みで眠れなくなったり、肩の動きが悪くなり日常生活に支障がでてきます。急性期には炎症を落ち着ける治療を投薬や注射にて行いながら、症状に応じて筋肉を強化するためや、肩が硬くなることの予防やリハビリによる治療を行います。
腰痛の多くは、腰椎に負担や加齢性の腰の変形などで起こります。症状緩和目的の投薬治療の他に、加齢性に変化を伴う腰痛では、腰の柔軟性の改善や筋力UPなど、負担による腰痛では腰を支える筋肉のストレッチなどをおこないます。コルセットなども保険治療により処方可能です。
スポーツ外傷には、打撲・捻挫、肉離れ・腱断裂、骨折・脱臼、靭帯損傷などがあります。スポーツ障害には、テニス肘、ゴルフ肘、野球肘、野球肩、ジャンパー膝、ランナー膝、グロインペイン(鼠径部痛症候群)、疲労骨折などがあります。一度の外力で生じる怪我だけではなく、スポーツ中の繰り返し動作で生じることが多く、予防やコントロールが重要となります。
切断には、労働事故・交通事故などに伴う外傷性の切断や、糖尿病や動脈硬化といった病気による感染症や血行障害を原因とした下肢切断があります。また、切断部位によっては関節が固まりやすくなるため、関節可動域を維持するための訓練を行う必要があります。義肢使用に必要な筋力もつける必要があります。
脊髄を損傷すると手足の麻痺を生じます。交通事故や高所転落、転倒といった外傷性のものが多いですが、血行障害や腫瘍など、非外傷性の原因もあります。近年では高齢者の軽い転倒による脊髄損傷も多くなってきており、転倒してから手が動かしにくい、触るとビリビリするなどの症状が出ることもあります。リハビリの目標としては脊髄損傷の受傷前の状態に戻すということではなく、今後の生活の自立度を上げるために身体を作り上げていくことが目標になります。
初期には関節の痛みを伴い、次第に手を中心とした色々な関節の腫れや変形、動きの制限が生じてくる疾患です。朝、指を曲げ伸ばしたときに、こわばりが起こることも特徴です。しばしば貧血や微熱などの全身症状も起こります。リハビリテーション治療はリウマチの時期によって異なります。痛みが強いときは、そのコントロールと局所の安静を図り、痛みが落ち着くと関節の運動や筋力増強訓練などを行います。