指が「カクン」と引っかかる!それって「ばね指」かも?原因と正しい治し方|小野田整形外科クリニック|愛知県西尾市の整形外科

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指が「カクン」と引っかかる!それって「ばね指」かも?原因と正しい治し方

指が「カクン」と引っかかる!それって「ばね指」かも?原因と正しい治し方|小野田整形外科クリニック|愛知県西尾市の整形外科

指が「カクン」と引っかかる!それって「ばね指」かも?原因と正しい治し方

朝起きた時、手の指がこわばって動かしにくい…。 指を曲げ伸ばしすると、途中で「カクン」と引っかかるような感じがする…。

もし、あなたがこのような症状でお悩みなら、それは**「ばね指(弾発指:だんぱつし)」**かもしれません。

「そのうち治るだろう」と放っておくと、症状が悪化して、指が曲がったまま伸びなくなってしまうこともあります。

この記事では、ばね指の原因やメカニズム、適切な治療方法について、一般の方向けに分かりやすく解説します。早期回復のために、正しい知識を身につけましょう。


ばね指とは?どんな病気?

ばね指は、手の指に起こる**「腱鞘炎(けんしょうえん)」**の一種です。

指を曲げ伸ばしする際、カクンと跳ねるような動作(ばね現象)が見られることから、この名前がついています。

なぜ指が引っかかるの?(メカニズム)

私たちの指がスムーズに曲げ伸ばしできるのは、筋肉の力を指先に伝える**「腱(けん)」という組織のおかげです。この腱は、骨から浮き上がらないように「腱鞘(けんしょう)」**というトンネルのような組織の中を通っています。

  • 正常な状態: 腱(ロープ)が腱鞘(トンネル)の中をスムーズに滑走します。

  • ばね指の状態: 指の使いすぎなどが原因で、腱鞘(トンネル)が炎症を起こして腫れて厚くなります。すると、腱(ロープ)の通り道が狭くなり、擦れて摩擦が生じます。これが進行すると、腱自体も傷んでコブのように腫れてしまい、トンネルの出入り口で引っかかるようになります。

これが、指を動かした時の「カクン」という引っかかりや痛みの正体です。

あなたは大丈夫?ばね指のセルフチェック

以下のような症状に心当たりはありませんか?

  • 指の付け根(手のひら側)を押すと痛い。腫れ感や熱感がある。

  •  指を曲げ伸ばしする時、途中で引っかかりを感じる。

  • 「カクン」と音がして、急に指が伸びたり曲がったりする。

  • 朝起きた時、指がこわばって動かしにくい。(日中、動かしていると少し楽になる)

  •  症状が進むと、自力で指を伸ばせなくなる。

親指、中指、薬指によく見られますが、他の指にも起こります。複数の指に同時に発症することもあります。

なぜなるの?ばね指になりやすい人

ばね指の主な原因は、手や指の使いすぎです。以下のような方に多く見られます。

  • 手先をよく使う仕事や趣味を持つ人: パソコン作業が多い、楽器の演奏、手芸、スポーツ(ゴルフやテニスなど)をする人。

  • 更年期以降の女性: 女性ホルモンの変化が関与していると考えられており、特に閉経前後の女性に多く発症します。また、妊娠・出産期の女性にも見られることがあります。

  • 特定の病気がある人: 糖尿病、関節リウマチ、人工透析を受けている方は、腱鞘炎を起こしやすく、重症化しやすい傾向があります。

痛みを我慢しないで!整形外科での治療法

「指のちょっとした不調だから」と自己判断で放置したり、無理なストレッチをしたりするのは禁物です。炎症が悪化したり、関節が固まって動かなくなったり(拘縮)するリスクがあります。

早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

1. 保存療法(手術をしない治療)

症状が軽い場合は、まずは保存療法から始めます。

  • 安静: 最も大切な治療ですが、日常生活で使用することも多く難しい場合も多いです。

  • 薬物療法: 炎症や痛みを抑えるために、湿布薬や塗り薬を使用したり、消炎鎮痛剤(痛み止め)を内服したりします。

  • 腱鞘内注射(ステロイド注射): 炎症が強い場合、患部(腱鞘の中)に直接、強力な抗炎症作用を持つステロイド薬を注射します。非常に効果が高く、1回の注射で症状が劇的に改善することも珍しくありません。ただし、頻繁に行うと腱が弱くなることがあるため、回数や間隔は医師の判断が必要です。

2. 手術療法

保存療法(特に注射)を行っても症状が改善しない場合や、指が曲がったまま伸びないなど重症化している場合は、手術を検討します。

  • 腱鞘切開術(けんしょうせっかいじゅつ): 狭くなってしまった腱鞘(トンネル)の一部を切り開き、腱(ロープ)の通り道を広げる手術です。

    • 当院では局所麻酔を用いて日帰り手術で行います。

    • 手術時間は10~20分程度と短く、傷口も小さいため、体への負担は比較的少ない手術です。

まとめ:指の違和感は、早めに整形外科専門医へ相談を

ばね指は、初期の段階で適切な治療を開始すれば、多くの場合は手術をせずに治すことができます。

しかし、痛みを我慢して放置すると、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、治療が長引いてしまうこともあります。

  • 「指がカクンとなる」

  • 「指の付け根が痛い」

  • 「朝、手がこわばる」

このような症状が続く場合は、ためらわずに整形外科クリニックを受診してください。 専門医が超音波検査(エコー)などを用いて正確な診断を行い、あなたの症状や生活背景に合わせた最適な治療法を提案します。

快適な日常生活を取り戻すために、まずは一度、お気軽にご相談ください。


文責 整形外科専門医 小野田亮介

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